北上駅(きたかみえき)は、岩手県北上市大通り1丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。
乗り入れ路線
東北新幹線と、在来線の東北本線および北上線が乗り入れており、接続駅となっている。また、東北新幹線盛岡駅から田沢湖線に直通するミニ新幹線である秋田新幹線の列車は、2023年(令和5年)3月改正時点では1日1往復に限り停車する。在来線における所属線は東北本線であり、北上線は当駅が起点である。なお、東北本線と北上線は、JR貨物の第二種鉄道事業の路線でもある。
歴史
- 1890年(明治23年)
- 11月1日:日本鉄道の黒沢尻駅(くろさわじりえき)として開業。一般駅。
- 12月ごろ:後藤屋の構内営業が許可される(駅弁業者、2000年〈平成12年〉ごろ撤退)。
- 1906年(明治39年)11月1日:日本鉄道が国有化、官設鉄道の駅となる。
- 1921年(大正10年)3月25日:横黒線(現在の北上線)が開業。
- 1954年(昭和29年)11月10日:北上駅に改称。
- 1968年(昭和43年)7月10日:一ノ関管理所から分離し、北上運輸長を配置。
- 1969年(昭和44年)2月10日:北上運輸長廃止、一ノ関運輸長北上駐在を配置。
- 1971年(昭和46年)
- 2月1日:北上駅旅客営業センターを設置。
- 10月13日:東北新幹線の北上駅停車が決定。
- 1973年(昭和48年)3月20日:みどりの窓口を設置。
- 1982年(昭和57年)6月23日:東北新幹線が開業。
- 1986年(昭和61年)11月1日:東口を開設。荷物、専用線発着を除く貨物の取り扱いを廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、JR東日本・JR貨物の駅となる。
- 1991年(平成3年)11月14日:駅旅行センターをびゅうプラザに名称変更。
- 1996年(平成8年)3月30日:速達型「やまびこ」の1日1往復が臨時停車を開始(秋田新幹線工事での田沢湖線全面運休による代替特急「秋田リレー」運行に伴う措置)。
- 1997年(平成9年)3月22日:速達型「やまびこ」の正式停車が開始(1日1往復・現在ははやぶさ)。
- 1999年(平成11年)3月10日:新幹線改札口に自動改札機を設置。
- 2001年(平成13年)9月26日:貨物列車の運行最終日。以降貨物列車の発着が無くなる。
- 2006年(平成18年)8月1日:発車メロディと接近放送が変更される。メロディはいずれも櫻井音楽工房のものである。
- 2008年(平成20年)12月3日:西口在来線改札口に自動改札機を設置。
- 2015年(平成27年)12月1日:水沢駅の業務委託化に伴い、金ケ崎駅の管理業務が当駅に移管される。
- 2017年(平成29年)4月1日:花巻駅の業務委託化に伴い、東北本線花巻駅 - 石鳥谷駅間、釜石線似内駅 - 晴山駅間(新花巻駅を除く)の管理業務が当駅に移管される。
- 2018年(平成30年)
- 6月1日:遠野駅の業務委託化に伴い、釜石線岩根橋駅 - 足ケ瀬駅の管理業務が当駅に移管される。
- 10月1日:東口の業務をJR東日本東北総合サービスに委託。
- 2019年(令和元年)7月31日:びゅうプラザの営業を終了。
- 2020年(令和2年)3月14日:新幹線eチケットサービス開始。
- 2021年(令和3年)
- 3月13日:タッチでGo!新幹線のサービスを開始。
- 12月21日:ブース型シェアオフィス「STATION BOOTH」が開業。
- 2023年(令和5年)5月27日:東北本線盛岡方面においてICカード「Suica」の利用が可能となる。
- 2024年(令和6年)10月1日:えきねっとQチケのサービスを開始。
駅構造
在来線は構内西側にある地上駅を、新幹線は構内東側にある高架駅を使用している。
在来線のホームは2面4線ある。島式ホーム1面2線と単式ホーム1面1線、それに単式ホームの盛岡寄りの端を切り欠いた、切欠きホーム1面1線(0番線)を持つ。旅客用3番線と新幹線駅舎の間に副本線が数本あり、北上線に乗り入れる貨物列車などが使用する。また、新幹線のホームは、島式ホーム1面2線と単式ホーム1面2線の合計2面3線ある。この間に通過線が2線ある。
新幹線・在来線ともに発車メロディが導入されている。なお、在来線の発車メロディは車掌扱いのため、ワンマン列車のときは省略される。事務管コードは▲211014を使用している。
のりば
在来線(地上ホーム)
- 東北線盛岡方面から北上線へ直通する列車、北上線から東北線盛岡方面へ直通する列車は3番線に入線することがある。
- 夜間留置が設定されている。
新幹線(高架ホーム)
- 当駅で折り返す新幹線(試験車両など)は11番線に入線する。
改札口・駅設備
改札口は、西口・東口の2か所ある。自動改札機は、西口在来線改札口に3通路、東口新幹線改札口・新幹線のりかえ口にそれぞれ2通路設置されている。西口在来線改札口はSuicaやえきねっとQチケ、東口新幹線改札口と新幹線のりかえ口は新幹線eチケットサービス、タッチでGo!新幹線、えきねっとQチケに対応している。なお、東口在来線改札口は有人改札で、簡易Suica改札機が設置されているほか、新幹線改札の有人窓口を兼ねている。
西口は駅の正面口にあたり、在来線のりばに面する。新幹線のりばへは在来線ホームから地下道を通ることとなる。みどりの窓口、自動券売機、指定席券売機、NewDays、そば拠「はやて」がある。
東口は、新幹線のりかえ口に併設された形となっている。みどりの窓口、自動券売機、指定席券売機、観光案内所がある。新幹線コンコース内にNewDaysがある。
一ノ関統括センター傘下の直営駅。管理駅であり、東北本線の金ケ崎駅 - 石鳥谷駅間および北上線の柳原駅 - ゆだ高原駅間、釜石線の似内駅 - 足ケ瀬駅間の各駅(新花巻駅は除く)の各駅を管理している。東口の業務はJR東日本東北総合サービスが受託している。
発車メロディ
新幹線ホームを含めた全ホームでテイチク製のメロディを使用している。
- 在来線ホームの発車メロディは「mellow time」である(ワンマン運転の列車では流れない)。
- また、在来線ホームでは接近メロディとして「スプリングボックス」(池袋駅、秋葉原駅、浦和駅などで発車メロディとして使用されている)が流れる。
- 新幹線ホームの発車メロディは12番線(盛岡方面)が「風と共にV2」、13番線(東京方面)が「see you again」である。
貨物取扱
現在、JR貨物の駅は車扱貨物の臨時取扱駅となっており、貨物列車の発着はない。貨物設備はなく、専用線も当駅には接続していない。
かつては、駅西口の南側に日本石油北上油槽所があり、そこへ至る専用線が駅から分岐していた。施設へ石油を輸送するために、仙台北港駅から貨物列車が運行されていたが、油槽所の閉鎖に伴い2001年(平成13年)9月26日をもって廃止された。また、メタノール荷役線が駅構内にあり、新潟臨海鉄道太郎代駅から輸送されたメタノールがタンク車からタンクローリーに移しかえられ東北ユーロイド工業の工場へ輸送されていた。この輸送は2001年(平成13年)6月19日の貨車返送を最後に廃止された。
なお、国鉄分割民営化前までは、駅西口の南に隣接して車扱貨物ホームがあった。
駅弁
2017年(平成29年)ごろまでは、主な駅弁として下記を販売していた。
利用状況
JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は3,668人である。また、新幹線の1日平均乗車人員は1,373人である。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
駅周辺
北上駅東口の広場では1990年(平成2年)に鬼剣舞のモニュメントが設置された(広場の再整備に伴い数回移設されている)。
北上駅東口の再開発エリア「さくらポート・タウン」は2023年(令和5年)11月のビジネスホテル開業により事業完了となり、建物内に北上観光コンベンション協会と観光物産館が移転する。
バス路線
2016年(平成28年)9月に北上市がロータリーの改修を実施し、島式のバス乗場を作り、対岸へ渡る必要がなくなった。バス停も1 - 4番(1a - 1dを併記)へと統廃合した。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 東北・北海道新幹線
- ■秋田新幹線「こまち」(95・96号のみ)停車駅
- 水沢江刺駅 - 北上駅 - 新花巻駅
- ■東北本線
- 六原駅 - 北上駅 - 村崎野駅
- ■北上線
- □快速・■普通
- 北上駅 - 柳原駅
- □快速・■普通
脚注
記事本文
注釈
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
新幹線
参考文献
- 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6。
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
外部リンク
- 駅の情報(北上駅):JR東日本




