クロシジミ(黒小灰蝶 Niphanda fusca)はチョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ヒメシジミ亜科に分類されるチョウ。

概要

前翅長は17~23mm。翅裏は明灰色の地色で、濃い灰色の大きい斑紋が現れる。翅表は一様に黒色で外縁は白い。ヒメシジミの仲間であるが草原や市街地にはおらず、人の手の入る二次林などを住みかとする。

成虫は年に1回、6-8月頃に発生する。幼虫は、若齢のうちはアブラムシなどの分泌物を摂取するが、2齢後期になるとクロオオアリの巣内でアリに育てられ、翌年の6-7月頃に蛹となる。越冬態は幼虫であるが、齢数は不定。

分布

中国、朝鮮半島に分布。国内では本州(福島県以南)から九州、対馬にかけて分布するが、生息地は局所的である。

保全状況評価

  • 絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト)

参考文献

  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6。 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112。OCLC 170389984。 

関連項目

  • シジミチョウ科
  • アブラムシ
  • クロオオアリ

クロシジミ

クロシジミとクロオオアリの同居生活 【生き物の不思議な世界】

クロシジミ

クロシジミ

産卵するクロシジミの♀