アムピロギアー(古希: Ἀμφιλογία, Amphilogiā)は、ギリシア神話の女神である。その名前は「口争い」、「水掛け論」を意味する。アンピロギアー、長音を省略してアムピロギア、アンピロギアとも表記される。
ヘーシオドスの『神統記』によると、不和と争いの女神エリスの娘で、ポノス(労苦)、レーテー(忘却)、リーモス(飢餓)、アルゴス(悲歎)、ヒュスミーネー(戦闘)、マケー(戦争)、ポノス(殺戮)、アンドロクタシアー(殺人)、ネイコス(紛争)、プセウドス(虚言)、ロゴス(空言)、デュスノミアー(不法)、アーテー(破滅)、ホルコス(誓い)と兄弟。これらの神々はいずれも人々に害をなす、様々な災いの擬人化である。
ローマ神話のアルテルカーティオー(Altercatio)にあたる。これはラテン語で「口論」などの意である。ヒュギーヌスでは、アムピロギアー(アルテルカーティオー)はアイテールとガイアの娘に数えられている。
系図
脚注
参考文献
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- ヘシオドス『神統記』廣川洋一訳、岩波文庫(1984年)
- 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年)




