スマートロックとは、既存の錠をなんらかの手法により電気通信可能な状態とし、スマートフォン等の機器を用いて開閉・管理を行う機器およびシステムの総称のことである。2015年に多くの製品が国内で出荷開始となり、スマートロック元年と呼ばれることもある。スマートロックは、鍵を開閉できる期間や回数を制限することができるため、第三者に鍵を共有しても、不正利用されづらいというメリットがある。
また、2016年からはWi-Fi通信型のスマートロックや遠隔解錠可能なBLE通信型の製品にホームゲートウェイ等のオプションが発表・販売されたこと等を背景に、遠隔管理・無人管理の活用がはじまっている。スマートロックはAPI等を利用することでサードパーティーが鍵と紐付いたサービスを実現することが可能であるため、IT・IoTサービスを構成する機器の1つとなっており、欧米では予約サービス・ドアベル・ホームオートメーションの機器との連携等が始まっている。
概要
基本的にスマートフォンの専用アプリと、錠の開閉を行う機器で構成されている。専用アプリで開錠・施錠の指示を行い、Bluetooth Low Energy(BLE)等の通信により錠側の機器と接続、「鍵」にあたる認証情報を送信する仕組みとなっている。
スマートホームサービスの一つとして提供されることもある。
特徴
- 設置方式
- 交換型
- 既存の錠と取り替え/工事により設置するタイプ。欧米を中心に販売されており、取り付けには工具が必要であるが海外ではDIYで取り付けもケースも多い。国内では、物件オーナーの了解が要る等、賃貸住宅の入居者が導入するにあたっては課題が多い。
- 後付型
- 室内のサムターン部分に被せるタイプ。工事不要で粘着テープ等で貼り付けるだけのものが主流であり利便性が高い一方、サムターンが対応していない場合は利用できない。
- 電気錠型
- 鍵を電気的に制御する電気錠を設置する方式。セキュリティの確保をしっかりとしたい場合、パニックオープン・ビル警備連動など、オフィスに設置する場合の必須機能に対応する場合に対応。
- 交換型
- 通信方式
- Bluetooth Low Energy(BLE)
- バッテリー消費が少なく、単三乾電池4本で約1年ほど稼働する。原則として、BLEに対応する機器(iOS 7 以上 /Android 4.4 以上)による接続を行う必要がある。
- BLEは通信ではスマートロックとスマートフォンが離れた状態で接続はできないため、一部製品では別途ホームゲートウェイ等の機器を導入することで遠隔通信に対応している。
- Wi-Fi
- 中継器となるゲートウェイが不要となり、スマートフォン以外からも開閉・遠隔からの管理が可能となる。デメリットとしてBLEに比べバッテリー消費が大きいと言われていたが、省電力で駆動できるテンキータイプの製品も販売されている。通信構成がシンプルとなり、ネットワークトラブルの対応がしやすい点もメリット。
- Bluetooth Low Energy(BLE)
- その他の機能
- 鍵の共有
- 遠隔操作
- オートロック
- 履歴の管理
- ハンズフリー開閉
利用シーン
自宅利用のほか、下記状況において利便性を発揮すると考えられる。
- シェアハウス / 貸会議室 / コワーキングスペース
- オフィス / 店舗における従業員の入退室管理・セキュリティ利用・勤怠システム連携
- ホテルチェックイン
- 民泊・バケーションレンタル
- 不動産内覧
- レンタルスペース
- 自治体 公民館
- シェアオフィス、レンタルオフィス
- 駐車場
- 無人店舗
脚注
参考文献
- ビジネス向けスマートロックを選ぶ7つのポイントを解説!
- 法人向けスマートロック比較・おすすめ3選
- スマートロック3社の社長が賃貸住宅フェアでガチ対決!いちばんオススメの製品はどれ?|週刊アスキー
- スマホで開け閉め!? 未来の鍵「スマートロック」9選【国内・海外版】|eA
- スマートロック|IoT
- Airbnb・民泊向けスマートロックのまとめ・比較 |MINPAKU.Biz
- SADIOT LOCKだけだよ! ハイロック&綱藤が選んだスマートロックはコレ|GIZMODO
- 安全・安心は、新しいカタチへ。SADIOT LOCKで家族を守る!|日経クロストレンドSPECIAL
関連項目
- 鍵
- モノのインターネット
- スマートホーム
- バーチャルキー


![]()

![スマートロックとは?導入すると良いワケは? ITツール・Webサービス比較サイト STRATE[ストラテ]](https://cdn.strate.biz/wp-content/uploads/2022/08/スマートロックとは?-1.jpg)